大人の女性のしあわせ探し映画。なかなかの良作。
ニューヨークに住む50代のウェンディ(パトリシア・クラークソン)は、書評家として成功していたが、本を愛するあまり家族に気を配らないでいた。ウェンディの夫テッド(ジェイク・ウェバー)は、そんな夫婦関係に嫌気がさし、浮気相手の元に走ってしまい、ウェンディは離婚を宣告される。
運転免許を持ってないウェンディは、これを機会に運転免許を取ろうと考え、偶然出会ったインド人のタクシードライバー、ダルワーン(ベン・キングズレー)から個人レッスンを受けることにする。
イザベル・コイシェ監督はスペインの生まれで、脚本も手がけます。
代表作には『死ぬまでにしたい10のこと』や『あなたになら言える秘密のこと』などがあり、親日家でもあります。
ウェンディ役はパトリシア・クラークソン。
『アンタッチャブル』でデビューし、『ダーティーハリー5』に出演してます。
最近では『メイズ・ランナー』シリーズにも出てますね。
昔から老け顔だと思うのです。
この作品では夫に捨てられる役なんですが、どう見ても夫の方が若くて、キャスティングに同情してしまいました。
夫テッド役のジェイク・ウェバー。
インド人のタクシードライバー、ダルワーン役のベン・キングズレー。
『ガンジー』でアカデミー主演男優賞を受賞し、他には、
『シンドラーのリスト』、
『スウィーニー・トッド』、
『シャッター アイランド』、
『アイアンマン3』、
『ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密』、
『エクソダス:神と王』など有名作品にけっこう出てます。
長年暮らし、信じていた夫に捨てられ、しかもウェンディの方が稼いでたので離婚で財産をごっそり持って行かれ、自暴自棄になってる時、「娘に会いに行くためには運転免許が必要」と思い、なんとなく免許を取ろうとします。
そこで出会ったダルワーン。
敬虔なシク教徒である彼は、運転許取得を途中で投げ出そうとするウェンディをさとしながら、レッスンを続けます。
まったく違う世界で生きていた2人が、人生の転換期に出会うのです。
ウェンディは、夫が忘れられず、なんとか夫とよりを戻そうと考える日々。
ダルワーンは、インドから来た女性と見合い結婚をするもうまくいかない日々。
そんな2人が、お互いに支えになりながら、なんとか自分の人生を切り開こうとするのです。
運転免許取得と人生をかけていますが、ありがちな話にはならず、大人同士の抑制が効いた、なかなかの良作となってます。
監督初のコメディ作品でもあって、大人の下ネタがけっこう出て来ます。
なかなか品のある下ネタで笑えます。
女性監督らしい丁寧な作品で、小物の色使いなどに主人公の気持ちが表れてるようで、印象的です。
ベタな作品なら、最後に2人は結ばれるのですが、そうはなりません。
ギリギリのところで自分を振り返り、それぞれの世界に帰って行く姿。
まさに大人のための大人の映画です。
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